『Witches' Loaves』

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O・ヘンリーの作品に『Witches' Loaves』と云う短編がある。

小学生の頃、給食の時間に「お昼の放送」ってのが有って(何処の小学校でも有るものなのかな?)、短編小説の音読とか、当時流行ってたポップスのカセットテープなんかが流れてた。
5インチのフロッピーディスクが流通してた時代・・・。

------その中で一番記憶に残っているのが『Witches' Loaves』。
「魔女のパン」若しくは「善女のパン」でググれば、なんやかんやと出る。

正直、あんまり気分の良い話じゃなかった。
パン屋で働く女性と、そこに客としてくる画家と思しき男性の話。

※以下は当時自分が受けた良くない印象と、拭いきれ無い主観を含むであろう、大体のあらすじです。詳細な描写も当時聴かされた「お昼の放送」と同じく意図して省いています。ネタバレも有り。

パン屋を営むマーサはいつも来る興味深い男性客の事を、その風貌や所作から「まだ世に認められていない才能を持つ貧しい画家」と思い込み、好意を寄せる。金銭的な支援を申し出たいけど失礼に当たるかもしれない。彼がいつも買っていくコッペパンに、バターを入れてあげたら喜んでくれるかも知れない。これくらいなら彼のプライドを傷つける事は無いだろうし、自分が抱く好意にも気付いてもらえるかも知れない。彼女は実行する。喜んでくれるかなと楽しみにしていたマーサの元に鬼の形相の男性客が現れ、彼女を怒鳴り散らす。実は彼は設計士で、パンはよく消える消しゴムとして使っていた。ペン入れの後に、鉛筆で描いた下書きを消そうとして使ったパンにバターが入っていて、設計図が台無しになってしまったのだ。
~おわり~

・・・と云う話。

(´・ ω ・`)

・・・最初に原作を読めば随分と全く印象は違っただろうなとは思う。実際、原作はシニカルな点では同じなのだけれども、もっと描写が細やかで、そこはかと無く諧謔性もあったりして、そこまで絶望的な印象も受けない。
しかし、忌まわしき「お昼の放送」では、出典も読まれずに淡々と始まり、ラストシーンでの男性客は「禿のズラを被ってカミナリ親父を演じる加藤茶」より激しいキレっぷりで、しかも棘々しい(おどろおどろしい)音効付きで、かなり救いの無い雰囲気の漂う仕上がりだった。

しかも小学1年生から6年生までの間に、数十回は聴かされた筈。異常なヘビーローテーションだった。この話に対して教員のフォローなんて一度も無かった。はっきり言って嫌がらせ以外の何物でもない。

道徳の授業とかで一度だけ取り上げるならまだ分かるんだけど。幼い自分には「いやな話だなぁ」とか「またこれか~」と思う事しか出来なかった。教員を集めて抗議!・・・なんて発想もなく、同級生と
「あの話、キモいよねー(´・ω・)」
「キモイねー(・ω・`)」
・・・なんて遣り取りをする事さえ無かった。
凡庸な自分が嫌になる。

原作では、彼女の親切心も下心も割とはっきり描かれている。「下心」の部分でマーサに同情しない人もいるとは思う。建築士はコンペの締め切りに間に合わなくなった訳だし。

だけど、それでも。
マーサを「おせっかいな女」と評するだけで済ませてしまう人とは、多分あんまり仲良くなれないだろうなぁ。
今でも。

別に作者のヘンリーさんに恨みは無いよ。凄い人だと思う。
有名ドコロでは他に『最後の一葉』とかも書いてる方。
ただ、「お昼の放送」で使われてたカセットがアレだったのと、それをヘビロテさせる学校がキモかっただけ。


「コンタんトコのアンヤの行っちょる小学校でも何こそ教えちょっか分からんじやー!」

(n'∀')η